ケアプランデータ連携システムがスタートします(2023年4月~)

2023/01/26: 説明会の資料をもとに情報追加
2022/12/01: Q&Aをもとに情報追加
2022/10/27: 利用料・電子証明書について情報追加
2022/09/30: 初稿
どのようなシステムなのか
ケアプランデータ連携システムは、ケアマネジャーや訪問介護、通所介護といった介護サービス事業所が利用するためのシステムです。

ケアマネジャーとサービス事業所間で毎月行われている、予定・実績データのやりとりの事務負担を軽減する目的で創設されました。
国保中央会がシステムの設計開発を行っており、来年2023年4月から運用を開始する予定です。

ケアプランデータ連携システムが必要とされている背景や、どのような仕組みなのかを解説します。
1.なぜ連携システムが必要なの?
ケアマネジャーさんと介護サービス事業所間では、毎月、利用者さんごとに、ケアプランの予定・実績をやりとりしています。
ざっくりとした流れで説明すると下記の通りです。
  • ①ケアマネジャーさんが予定(提供票)をFAXや郵送でサービス事業所へ送る
  • ②サービス事業所は、もらった予定を介護ソフトに入力する
  • ③サービス事業所が、利用者(お年寄りの方)へ介護サービスを提供する
  • ④サービス事業所が、提供したサービス内容(実績)を介護ソフトに入力
  • ⑤サービス事業所が、サービス実績をFAXや郵送でケアマネジャーへ送る
  • ⑥ケアマネジャーが、もらった実績を介護ソフトに入力する
  • ⑦介護ソフトに入力した実績をもとに、サービス事業所・ケアマネジャーが、それぞれ国保連合会へ介護報酬請求を行う

例えば、利用者Aさんのケアプランをケアマネジャーが作成した場合、Aさんが利用するサービス事業所すべてに対して、ケアマネジャーはケアプランの予定を送ります。
そして各サービス事業所は、送られたケアプランに基づいてAさんに介護サービスを提供したのち、 ケアマネジャーに対して1か月分の提供実績を報告します。各事業所から送られてきた実績報告書を見ながら、ケアマネジャーは介護ソフトへ実績を入力します。
ケアマネジャーとサービス事業所間のケアプラン予定・実績情報の受け渡しは、多くの場合FAXや郵送などで、印刷物(紙媒体)を送ることで行われていますので、 印刷物を見ながら、さらに介護ソフトへの入力作業が必要となります。

実際に、どのくらいの事務作業量なのかというと、 ひとりのケアマネジャーが35件くらいの利用者さんを受け持ちし、ケアプランに利用している サービス事業所を利用者1名あたり3事業所と仮定すると、 ケアマネジャー1名あたり「35件×3事業所=延べ100件以上」の予定・実績管理を行う必要があります。
また、サービス事業所側も、数十人~数百人分の利用者さんの実績報告書を作成し各ケアマネジャーへそれぞれに送っていますので、ケアマネジャー側もサービス事業所側としても 毎月かなりの事務作業が発生しています。
しかも介護報酬請求の締め切り日の関係で、実績のやり取りや入力は短期間(※)に集中するため 限られた時間の中で、大量の事務作業をこなさなければならない状況となります。

※国保連合会への介護報酬請求書提出の締め切りが毎月10日のため、 毎月1日~10日(実際には土日祝日があったり、締め日ギリギリの提出はしないので、実働日数は5~6日くらい) に事務作業が集中します。

ケアプランデータ連携システムを利用することによって、予定・実績のやりとりをシステム上でデータの送受信で行えるようになるので、 印刷物のやりとり・介護ソフトへの入力作業がなくなります。
また予定・実績のやり取り以外にも、居宅サービス計画書のやり取りが各利用者ごとに半年間に1回くらいはありますので、その情報もシステムで行うことができるようになります。

このシステムが稼働すると、ケアマネジャーとサービス事業所とっては、かなりの事務作業を減らすことができるようになります。

システム導入前と後
2.システムの概要
ケアプランデータ連携システムは、どのような仕組みでケアプランデータをやりとりするのでしょうか。

簡単にいうと、ケアマネジャーやサービス事業所といった介護事業所が使っている介護ソフトから、 予定(又は実績)のデータを出力し、インターネット経由で運用センターにアクセス、 ケアプランデータ連携基盤を介して、予定(又は実績)のデータをやりとりする仕組みとなります。
図にするとこのようなイメージとなります。
システム導入前と後
システム導入前と後
まだ詳細な機能はあまり公表されていませんが、先日、国保中央会から出されたQ&Aによると
  • 1.送信したケアプランデータが受信側に届いたことが分かるように、受信側がデータをダウンロードしたことが分かる機能が搭載される。
  • 2.ケアプランの標準様式(居宅サービス計画書1・2表、提供票、提供票別表)以外のデータ(例えば週間基本プラン、入退院時情報等)もPDF等になっていれば添付して送信可能。
  • 3.ケアプランデータ連携クライアントと、介護ソフトは動作環境の条件があえば、同じPCでの共用可能。

さらに、2023年1月24日に開催された説明会の資料によると  2023/01/26 追加記載
  • 1.事業所内に複数のパソコンがあっても、データを送受信する「ケアプランデータ連携クライアント」ソフトは、1台のパソコンにしかインストールできません。(8ページ)
  • 2.データを送信する際は、1事業所ごと、あるいは一括して送信することも可能。(23~25ページ 及び 32ページ)
  • 説明会の資料は こちら。カッコ内は資料のページです。
3.運用開始までのスケジュール
ケアプランデータ連携システムは、現在、国保中央会が設計開発中で、本稼働は2023年4月を予定しています。
また、本稼働前の2月~3月には、一部自治体で試験的に先行して運用を開始する予定です。
本稼働後も、必要となる機能を随時追加していく予定ということなのでLIFEのように、バージョンアップが入る見込です。 運用開始までのスケジュール

介護事業所がシステムの利用を申込する等のスケジュールは下記をご覧ください。  2023/01/26 追加記載 利用申し込みについてのスケジュール
利用申し込みが4月1日受付開始で、ケアプランデータ連携クライアントソフトの提供開始は4月14日~、システムの本稼働は、4月20日~ ということなので、実際にデータを送受信できるのは4月下旬以降ということになりそうですね。
4.利用するために準備するもの
ケアマネジャーやサービス事業所が、ケアプランデータ連携システムを利用するためには必要なものがいくつかあります。
利用準備
  • 1.ケアプランデータ連携システムへの利用申請。WEBサイトから申込します。(4月1日から受付開始)
  • 2.介護事業所のパソコンに、ケアプランデータ連携クライアント機能をインストール。 国保中央会のWEBサイトからダウンロードし、インストールできるようになる予定です。(4月14日から提供開始)
  • 3.電子証明書の確認
    国保連へ介護報酬を請求する際に、介護報酬の電子請求受付システムを利用しているかどうかを確認します。
    電子請求受付システムを利用している場合(国保中央会の介護伝送ソフトを利用して国保連請求している場合)には、 介護報酬で使用している電子証明書がそのまま使えるので、電子証明書の申請は不要です。

    伝送代行業者を利用して国保連請求している場合には、貴社では電子証明書をもっていない状態なので、 別途電子証明書の申請が必要です。(費用は無料。申請は4月1日から受付開始)
  • 4.ケアプラン連携用データを出力・取込することができる介護ソフト。
    現在普及している介護ソフトの多くが対応済ですが、分からない場合にはお使いの介護ソフト会社に確認してみてください。 (ケアキャロッツも対応しています!)
  • 5.ケアプランデータ連携システムの利用料
    ケアプランデータ連携システムを利用する場合には、1事業所番号あたり21,000円(税込・年額)の利用料が必要です。
    残念ながら、複数事業所番号で利用する場合の割引はないとのことです。
    支払方法は、国保連から振込される介護報酬費からの天引きが基本となります。
おわりに
ケアプランデータ連携システムの成功の鍵は、全国の介護事業所さんがみんなこのシステムを利用することだと思います。 数多くの介護事業所が利用しないと、結局は今まで通りの書類のやりとりをする方法が残ってしまい、結局は事務負担が減らないことになってしまいます。

みんなが利用するようになるには、介護ソフトも含め連携システム全体が、 パソコンが得意でない人にも、分かりやすい画面やヘルプ機能があったりすると利用が広がるかと思います。 手前味噌ですが、キャロッツの画面はとっても分かり易いと思いますので、介護ソフトを検討されている方はオススメです。
ケアキャロッツ製品紹介ページはこちら

ケアプランデータ連携システムのさらないる情報が追加公表されましたら、また皆さまにもご紹介します。

国保中央会のホームページに、1月24日に開催された説明会の資料が追加されました。 2023/01/26 追加記載
国保中央会「ケアプランデータ連携システム」