次回(2021年4月)の介護保険制度改正は、どうかわる?
見直しの内容は大きく5つ。
- [Ⅰ] 介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)
- 1.一般介護予防事業等の推進:住民主体の通いの場の取組を一層推進
- 2.総合事業:より効果的に推進し、地域のつながり機能を強化
- 3.ケアマネジメント:介護支援専門員(ケアマネジャー)がその役割を効果的に果たしながら質の高いケアマネジメントを実現できる環境を整備
- 4.地域包括支援センター:増加するニーズに対応すべく、機能や体制を強化
- [Ⅱ] 保険者機能の強化(地域保険としての地域のつながり機能・マネジメント機能の強化)
- 1.PDCAプロセスの推進:保険者機能強化推進交付金の評価を活用しながら、実施状況を検証・取組内容を改善
- 2.保険者機能強化推進交付金:介護予防や高齢者の活躍促進等を一層推進するため、抜本的に強化
- 3.調整交付金:後期高齢者の加入割合の違いに係る調整を精緻化
- 4.データ利活用の推進:介護関連のデータ(要介護認定情報、介護保険レセプト情報、VISIT、CHASE)の利活用のための環境を整備
- [Ⅲ] 地域包括ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)
- 1.介護サービス基盤、高齢者向け住まい
- 2.医療・介護の連携
- [Ⅳ] 認知症施策の総合的な推進
- 1.認知症施策推進大綱に沿った施策の推進
- [Ⅴ] 持続可能な制度の構築・介護現場の革新
- 1.介護人材の確保・介護現場の革新
- 2.給付と負担
介護事業所に関係しそうな部分はここ!
1.総合事業:事業の対象者の弾力化(要介護認定を受けた者)

総合支援事業の対象者といえば、要支援1、要支援2、事業対象でしたが、この文章を見ると、要介護1~5の方も対象とすることを検討しているようです。
総合支援事業の中で、どのサービスが対象となるのか等詳細は不明ですが、今後の展開が気になりますね。
総合支援事業の中で、どのサービスが対象となるのか等詳細は不明ですが、今後の展開が気になりますね。
2.データ利活用の推進:データ収集項目の充実の検討

前回の介護報酬改定では、通所リハ・訪問リハについてVISITでデータを提出した場合に加算が設定されました。
審議会の資料では、「介護関連のデータ(要介護認定情報、介護保険レセプト情報、VISIT、CHASE)の利活用のための環境を整備する」ということなので、 次回改正では、データ収集に関する加算が他にも増えるかもしれませんね。
審議会の資料では、「介護関連のデータ(要介護認定情報、介護保険レセプト情報、VISIT、CHASE)の利活用のための環境を整備する」ということなので、 次回改正では、データ収集に関する加算が他にも増えるかもしれませんね。
3.介護人材の確保・介護現場の革新:文章量の削減
①指定申請 ②報酬請求 ③指導監査の文章に関して、以下の3つの観点を念頭に置きつつ取り組みしてゆく方針です。
- 個々の申請様式・添付書類や手続きに関する簡素化
- 自治体毎のローカルルールの解消による標準化
- 共通してさらなる効率化に繋がる可能性のあるICT等の活用
4.給付と負担:補足給付の支給要件の基準を変更
補足給付とは、施設系サービスで発生する居住費や食費についての、低所得者の方への補助制度です。
補足給付の支給要件となる預貯金の基準が変更となるようです。

5.給付と負担:ケアプラン費用の利用者負担は見送り
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)のケアプラン費については現在、利用者さんの自己負担はありません。
増え続ける介護報酬に対応するため、自己負担を導入することが検討されていましたが、次回改正では見送りされることになりました。
(「引き続き検討」は今回は結論をださず、次回に向けて検討するという意味合いですね)
(「引き続き検討」は今回は結論をださず、次回に向けて検討するという意味合いですね)

6.給付と負担:軽度者への生活援助サービスを総合支援事業へ移行は見送り
軽度者(要介護1・要介護2の方)の生活援助サービスを、要支援1・2の方と同様に総合支援事業へ移行することが、検討されていましたが、
次回改正では見送りされることになりました。

最終意見の取りまとめ後は、法案提出へ