次回改正(2024年4月)に向けての議論を整理 その1(介護保険部会 2022.9.26開催分より)
今回は「給付と負担」について議論
実際の改正内容が決まるのは2024年の1月頃になるとは思いますが、 色々な意味で心の準備をするためにも、どのような内容が改正点として議論されているのかをウォッチしていきたいと思います。 第1回目となる今回は、2022年9月26日に開催された、第98回社会保障審議会 介護保険部会についてお伝えします。
- 1.総論
- 2.被保険者範囲・受給権者範囲
- 3.補足給付に関する給付の在り方
- 4.多床室の室料負担
- 5.ケアマネジメントに関する給付の在り方
- 6.軽度者への生活援助サービス等に関する在り方
- 7.「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準
- 8.福祉用具貸与の在り方の見直し
- さいごに
1.総論
結論からお伝えすると「利用者(高齢者)の負担が増える方向の議論」が中心の内容です。
今回開催された部会は「給付と負担に関する指摘事項」についての議論なので、当然といえば当然の内容なのですが、2022年6月の閣議決定から抜粋すると
『給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら[…中略…] 全世代型社会保障の構築に向けて、世代間の対立に陥ることなく、全世代にわたって広く基本的な考え方を共有し、国民的な議論を進めていく。』 とありますので
「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し」の方向性は確定事項と見て良さそうです
今回開催された部会は「給付と負担に関する指摘事項」についての議論なので、当然といえば当然の内容なのですが、2022年6月の閣議決定から抜粋すると
『給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら[…中略…] 全世代型社会保障の構築に向けて、世代間の対立に陥ることなく、全世代にわたって広く基本的な考え方を共有し、国民的な議論を進めていく。』 とありますので
「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し」の方向性は確定事項と見て良さそうです

2.被保険者範囲・受給権者範囲
「被保険者」とは介護保険制度の被保険者のことで、つまりは40歳以上の方のことで、
「受給権者」とは介護保険サービスを利用できる方という意味ですので、65歳以上の方のことです。
現在、介護保険料の支払いは40歳以上の方全員が負担していて、介護保険サービスを利用できるのは65歳以上というルールになっていますが、 次回改正に向けて、上記2つの対象者の範囲の見直しが検討されています。 例えば、40歳未満の方にも介護保険料の支払を負担してもらうとか、介護保険サービスを利用できる年齢を65歳より引き上げするなどの 意見が出されていますが、あまり活発な議論は今のところ見られないので、本当に見直しされるかは不透明な雰囲気です。
※対象者についての説明は、わかりやすくするためにざっくりとした説明にしています。
厳密には40歳から65歳未満の方でも介護保険サービスを利用できる2号被保険者の存在もあったりします。
3.補足給付に関する給付の在り方
補足給付の対象となる低所得者かどうかを判断する際に、年金などの所得額だけを判断基準にするのではなく、不動産についても判断基準含めるかどうかを検討しています。 不動産も判断基準に含まれるようになった場合、年金暮らしで持ち家の方は、補助の対象外となる可能性があります。
4.多床室の室料負担
同じ施設でも、特別養護老人ホームはお部屋代がすでに介護保険の給付対象外となっていますので老人保健施設なども、その方向になるのかも知れません。
もし、老人保健施設でもお部屋代を給付対象外にした場合には、きっと上記補足給付のような低所得者向けの補助制度もセットで施行されるのでしょうね。
5.ケアマネジメントに関する給付の在り方
つまり、ケアマネジャーさんにケアプランを作成してもらっても、利用者(高齢者)がお金を支払う必要はありません。
他のサービスでは利用者負担があるのにケアマネジメント費用だけないのはどうなのか、現役世代の負担軽減といった内容が、 前回の改正(2021年4月)でも議論され、結局は見送りされたのですが、次回改正の検討課題として再び議論されています。
もし、ケアマネジメント費用について利用者負担が発生するようになると ケアマネジャーさんの在り方は、今とはだいぶ変わるのではないかと思います。
6.軽度者への生活援助サービス等に関する在り方
〇現在のルール
要介護1~5の認定を受けた方が、訪問介護や通所介護サービスを利用する場合、日本全国、どこでサービスを受けても同じ内容のサービスとなります。
要支援者(要介護者よりも状態の軽い方)の場合は、受けられるサービス内容や費用について市区町村が独自に決めることができる「地域支援事業」という枠組みの中で 訪問介護や通所介護サービス(それぞれ、訪問型サービス、通所型サービスと呼び方が変わります)を受けることになります。
ですので、例えば、要介護の方が訪問介護サービスを受けた場合、A市でもB市でも サービス内容や負担額は同じ(厳密には地域単価等で負担額が違ってくる場合もありますが)ですが、 要支援者が訪問型サービスを受けた場合、A市とB市ではサービスの内容や負担額が異なります。(同じ場合もあります)
要介護1~5の認定を受けた方が、訪問介護や通所介護サービスを利用する場合、日本全国、どこでサービスを受けても同じ内容のサービスとなります。
要支援者(要介護者よりも状態の軽い方)の場合は、受けられるサービス内容や費用について市区町村が独自に決めることができる「地域支援事業」という枠組みの中で 訪問介護や通所介護サービス(それぞれ、訪問型サービス、通所型サービスと呼び方が変わります)を受けることになります。
ですので、例えば、要介護の方が訪問介護サービスを受けた場合、A市でもB市でも サービス内容や負担額は同じ(厳密には地域単価等で負担額が違ってくる場合もありますが)ですが、 要支援者が訪問型サービスを受けた場合、A市とB市ではサービスの内容や負担額が異なります。(同じ場合もあります)
〇要支援者へのサービスが地域支援事業になった理由
地域支援事業にすれば、市区町村単位で地域の実情にあわせた多様な人材や資源を活用することができるということで、2018年4月から 地域支援事業の一環として訪問型サービスや通所型サービスが創設されました。 多様な人材や資源の活用という視点もあるかと思いますが、地域支援事業の場合サービス費用が安い(市区町村が独自に決める場合でも国基準で上限価格が決められています)ので サービス費用を抑えるために、地域支援事業を開始したという側面もあります。
地域支援事業にすれば、市区町村単位で地域の実情にあわせた多様な人材や資源を活用することができるということで、2018年4月から 地域支援事業の一環として訪問型サービスや通所型サービスが創設されました。 多様な人材や資源の活用という視点もあるかと思いますが、地域支援事業の場合サービス費用が安い(市区町村が独自に決める場合でも国基準で上限価格が決められています)ので サービス費用を抑えるために、地域支援事業を開始したという側面もあります。
〇次回改正への論点
今回議論になっている比較的状態が軽度な、要介護1・2の方の訪問介護と通所介護サービスを地域支援事業へ移行するというのは、
軽度者の方への訪問介護と通所介護については、市区町村が知恵を絞って、安くて素敵なサービスを創設してね! つまりサービス費用抑制策の一環と捉えることができます。
今回議論になっている比較的状態が軽度な、要介護1・2の方の訪問介護と通所介護サービスを地域支援事業へ移行するというのは、
軽度者の方への訪問介護と通所介護については、市区町村が知恵を絞って、安くて素敵なサービスを創設してね! つまりサービス費用抑制策の一環と捉えることができます。
7.「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準
〇現在のルール
介護保険のサービスを利用した場合、基本的には利用者(高齢者)が負担するのはサービス費用のうちの1割です。
ただし、利用者の所得によっては1割負担ではなく2割負担や3割負担となります。(つまりお金があると判断された場合、2割・3割負担)
今のところ、一人暮らしの場合は年間所得が240万~340万円未満なら2割負担、340万円以上なら3割負担に当てはまります。
例えば、訪問介護サービスで食事介助や着替えの介助を1時間受けた場合、
東京23区内であれば、サービスの費用は4,514円となり、サービスを受けた利用者さんは、
1割負担の場合:452円
2割負担の場合:903円
3割負担の場合:1,355円
を支払いします。 (残りの9割~7割分は、訪問介護サービス事業所が国、正しくは国保連へ請求します)
介護保険のサービスを利用した場合、基本的には利用者(高齢者)が負担するのはサービス費用のうちの1割です。
ただし、利用者の所得によっては1割負担ではなく2割負担や3割負担となります。(つまりお金があると判断された場合、2割・3割負担)
今のところ、一人暮らしの場合は年間所得が240万~340万円未満なら2割負担、340万円以上なら3割負担に当てはまります。
例えば、訪問介護サービスで食事介助や着替えの介助を1時間受けた場合、
東京23区内であれば、サービスの費用は4,514円となり、サービスを受けた利用者さんは、
1割負担の場合:452円
2割負担の場合:903円
3割負担の場合:1,355円
を支払いします。 (残りの9割~7割分は、訪問介護サービス事業所が国、正しくは国保連へ請求します)
〇次回改正への論点
次回改正時には、1割負担の対象となる所得の基準額を引き下げて、現在は1割負担が基本のところを2割負担が基本となるように変更してはどうかという議論がされています。
現役世代の負担軽減や、持続可能な介護保険制度のためとは言え、現在の倍なので中々インパクトのある増加額ですね。
医療保険のように猶予措置などとセットで施行する可能性もありますが、介護保険の2割負担を創設した時には特に猶予措置はなかったので 特に救済措置は設けられないかも知れません。
次回改正時には、1割負担の対象となる所得の基準額を引き下げて、現在は1割負担が基本のところを2割負担が基本となるように変更してはどうかという議論がされています。
現役世代の負担軽減や、持続可能な介護保険制度のためとは言え、現在の倍なので中々インパクトのある増加額ですね。
医療保険のように猶予措置などとセットで施行する可能性もありますが、介護保険の2割負担を創設した時には特に猶予措置はなかったので 特に救済措置は設けられないかも知れません。
8.福祉用具貸与の在り方の見直し
今回指摘されたのは、13品目のうち比較的安い商品が多い品目(杖・歩行器・手すり)については毎月の貸与ではなく、販売にしたらどうかという事です。
販売にした場合でも、利用者負担は1割分のみにするようですが、
・毎月かかっていた福祉用具の貸与費用が減らせる事
・(貸与の場合にはケアマネジャーさんのケアマネジメント業務が必要なので)毎月のケアマネジメント費用も販売の場合には、不要になる事
の2点から、安価な商品については、貸与ではなく販売にすべきという議論になっています。
ただし、販売後にも販売業者が定期的に保守点検をすべき、その費用については付帯サービスとして 販売時に付けるという話しもでていたり、必ずしも、販売してさようなら、という事にはならない雰囲気もあります。
さいごに
要介護認定期間の拡大や、要介護認定審査の簡素化、介護現場での事故の発生予防や再発防止などについても触れられています。
詳しい内容を知りたい方は 厚労省 こちらのリンクから資料をご参照ください。